孤蓬流篆刻教室2
4、布字をする
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平らになった印面にまず朱を塗ります(朱文の場合は墨を塗ります)。朱が乾いたら、プリントアウトした印稿を見ながら墨で左右反対の裏文字を書きます。楷書、行書と違って篆書は左右対称ですから少し慣れたらそんなに難しくないです。書きそんじは朱で修正します。書いていくうちにもとの印稿と違った字形にしてみたくなることもあります。今回も「敬」の字を少し変えました。
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書き上がったら鏡に写して本来の印稿と見比べて見ます。左右対称とはいえ、平素の習慣と錯覚で、全然印象の違った字になることがよくあります。ここから、鏡を見て、修正、鏡を見て、修正、が何回も続きます。
この時、パソコンで左右反転させた画像をプリントしておくと、それを見ながら書けるので、かなり助かります。
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布字が完成しました。(篆刻制作にかける時間の殆どはここまでの時間です)さあ、彫ろう!・・ちょっと待って。完璧だと思っても、黙ってそのまま24時間放っておきましょう。そしてもう一度、鏡に写して見てみます。
何と前日気のつかなかったおかしなところが出てきます。必ず出てきます。
文字の大きさ、線の太さ細さ、線の傾き、朱白のバランス、などなど。それらを修正して、私の場合さらにもう一日待ってみます。また出てきます。(「それはおまえが注意散漫だからだ!」といわれそう(^_^;;)。
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ここでもちょっとパソコンを使ってみました。布字の終わった印材をスキャナに乗せて撮った後、黒い墨の部分を白に変え、左右に反転させてプリントしました。細かいところまでは出ませんが全体の釣合などはよく分かります。
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5、印を刻す
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いよいよ印を彫ります。使う道具は印刀(鉄筆とも言います)一本。私が使っている刀は30数年前篆刻を始めたときから使っているもので、8cm角の大きな印も1cm角の小さな印もこれ一本で彫ります。刀はよく研いでおきましょう。カッターナイフのような切れ味です。
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持ち方は上図の様に握りますが、小さな印や細かいところは左図のように筆を持つように使います。今回は白文ですから文字の線の右側(朱文の時は左側)に刀を当てて上から下に石に半ば埋め込むように引きます。下から上へ彫る人もいますが私は補刀(修正)のとき以外はしたことがありません。
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彫り上がったら、石屑をよく払い朱や墨をきれいに洗い流し、印泥をまんべんなくつけて、紙に押してみます。その時「印矩」というT字型の定規を使うと印がズレずに何回も押すことができます。でも、このくらい大きな印だと一回ごとに裏からバレンでこすったほうがよいみたい。
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6、補刀
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ほぼ予定通りに彫り上がりました(左)。しかし彫り残したり、手を入れたい線もあります。そこで補刀といって、石についた印泥をよく拭きとってから、刀を入れて修正します(右)。ここであまりいじりすぎると、線の勢いがなくなります。
(もっとよく見たい人はクリックしてください)
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7、作品を仕上げる
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いよいよ作品を制作します。
1、2、まず彫り上がった印に印泥を万遍なくつけます。その時のコツは饅頭のように丸めた印泥に印をベタベタではなく、ポンポンと軽く叩くようにしてつけることです(??分かるかな??)。
3、印を押したい位置に印矩を置き、それに沿って印を押します。印矩を一旦はずし、紙と共に印をひっくり返し紙の裏からバレンなどで擦るとよくつきます。
4、紙から印をはずすとき印矩を当て、きちっと固定しておけば、何度でもずれずに押せます。しかしできれば2回で終わらせたいです。(2回で終わらせるコツ:2回目印を紙から剥がすとき、できるだけ勢いよく素早い動作でバリッとはがすこと)
5、釈文と落款をいれてでき上がり、後は裏打ちをして額装するだけです。
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以上で、孤逢流篆刻教室を終わります。ご出席ありがとうございます。
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