チマブーエ Cimabue(1240年?~1302年?)
生没年は定かではない。ヴァザーリの「ルネサンス画人伝」は、このチマブーエから始まっている。「・・・。時折りしも、1240年、絵画芸術の世界に光明を投ずるべく、天はフィレンツエの町に、姓はチマブーエ、名はジョヴァンニなる男子が、当時の名家であるチマブーエ家の一員として、呱々の声を上げる配慮をなさせ給うた。」(小谷年司訳)と仰々しく記していますが、ヴァザーリの言う1240年生まれ、1300年没という年も、またチマブーエ家という名家の存在も確証はないようです。
しかし、その抜きん出た才能で13世紀末にフィレンツエを中心にローマ、アッシジなどで画家の第一人者として活躍したことは確かです。
「十字架のキリスト」
(左図)336×267cm 1268~71年 サン・ドメニコ聖堂(アレッツォ) チマブエに帰される作品で最も初期のもの。
(右図)448×390cm 1287~88年 サンタ・クローチェ聖堂(フィレンツエ) 左の20年前の作品と比較して見てください。
「荘厳の聖母・マエスタ」
左図:424×276cm 1290〜95 ルーブル美術館
右図:385×223cm 1285〜86 ウフィッツイ美術館
左のルーブルにある「マエスタ」は、もともとピサの聖フランチェソコ教会にあったもので、1811年ナポレオン戦争の時パリに移されたものです。
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アッシジの聖フランチェスコ聖堂の「フランチェスコの生涯」
聖フランチェスコ聖堂の上階にある28面の「フランチェスコの生涯」のフレスコ画。700年以上の歳月で鉛白が変色して白黒が反転してしまっています。